
「おじいちゃんクラブ」
「邪道」
などと言われながらでも、チッパーをクラブセッティングに入れる理由は、スコアを少しでも良くしたいからですよね。特に100をなかなか切れない、グリーン周りのアプローチが苦手な人にとって、ワラをもつかむ思いでいろいろな方法を試したはずです。その結果がチッパーですよね。
かくいう私も、チッパーを使う理由は、やっぱりスコアアップのためです。
どんなにかっこ悪いと言われても、スコアが良ければ一緒に回る同伴競技者も何も言いません。やっぱり、ゴルフは上がってナンボなんだなって思う瞬間です。
技術がないなら道具で補えばいいじゃない。
ということで、技術がなくても100を切ることは可能なのか私の考えを書いてみました。
120前後の実力があれば100切りは可能!
さっそくですが、技術がなくても100を切ることができるのかという問いの結論からです。
私は、ベストスコアで120前後のスコアを出せる技術があれば、考え方と適切なクラブセッティングで100を切ることができると思っています。
逆に言うと、ベストスコアで130以上の方は少し難しいかもしれません。ミドルアイアン以下のクラブで、ある程度の精度は最低限必要だからです。それでも、ゴルフに対する考え方を変えるだけで劇的にスコアはアップしますし、上達の速度も上がります。
では、具体的にどのような考え方をすると良いか解説していきますね。
避けられるミスを徹底的に避ける
ゴルフは、いかにミスをしないように工夫する競技です。
そのためには、カップインから逆算して、避けられるミスを徹底的に避けるように頭を使って考えることがとても大切です。これだけで、十分スコアアップしますし、徹底すれば100も切れます。
「なんだ、そんなことか」と思ったかもしれませんが、人間、ゴルフに限らず「徹底する」というのは意外と難しいものです。分かっちゃいるけど、なかなか実践できないんですね。
徹底できない人間の性(さが)
分かっていても徹底できないのが人間です。その良い例がドライバーです。
必ずティショットでドライバーを握る初心者。練習場に行けば90%くらいの確率でスライスして右のネットに突き刺さるのに、10%のまぐれ当たりを期待して、本番のティショットもドライバー。プロがアイアンでティショットを打つようなホールでも、「どうせ当たらないから」といってドライバー。こんな時に限ってまぐれ当たりが出てハザードへ。こんな人、あなたの周りにもいませんか?
他にはロングアイアンもそうです。
練習場では、数球しか打たない3番アイアンや練習すらしない4番アイアンを本番のここぞというときに使って、失敗する。ロングホールの2打目やドライバーが危険なホールのティショットでよく見かける光景です。
最近はユーティリティが増えてきてロングアイアンをクラブセッティングに入れている人も減っているとはいえ、使えないロングアイアンをキャディバッグに入れている初心者もまだまだ多いです。
せっかく14本のクラブが自由に選べるのに、確率が低くて使えないクラブを入れておくのはとてももったいないです。
とはいえ、私もチッパーを入れる前は3番アイアンも4番アイアンも入れていて、ロングホールの2打目を直接グリーンに乗せようとし、チョロしまくる。そんなありがちなゴルファーでした。
そんな私を変えたのが「逆算のゴルフ」です。
逆算のゴルフ
逆算のゴルフとは、ティグラウンドからグリーンまでではなく、グリーンからティグラウンドまでの道のりをどのようなルートで行くかを考えることです。
例えば、PAR4のコースであれば
A:グリーンのどこにつけたら2パット圏内か
B:Aにつけるにはどこから打てばよいか
C:Bまでにティグラウンドから1打でいけるか、2打かかるか
D:Cを踏まえてティショットのクラブを選択する
私はティグラウンドに立った時に 上の4つのステップを考えるようにしています。また、その道のりの中で、OBや池やバンカーなどのハザードをいかに避けるかを重視しています。
そのコース戦略を立てる中で、私の指針が「一番得意なクラブを軸にコース戦略を考える」ということです。
一番得意なクラブを軸にコース戦略を考える
あなたの一番得意なクラブはどのクラブでしょうか?
ドライバーの飛距離と方向性?
6番アイアンできっちり150ヤード?
9番アイアンで100ヤード以内?
パターなら必ず2パット以内?
得意とするクラブは人によって違います。
ちなみに私の得意なのは、残り120ヤードを打つピッチングウェッジと、30ヤード以内のチッパーを使ったアプローチです。なので、私の場合、いかにグリーンまで120ヤードの距離を残すか。または、ピンまで30ヤード以内の誤差の範囲に打てるクラブを2打目に打てるようにするにはどうするか。大きくこの2つを基本にしています。
つまり、頭を使うゴルフは、自分の得意なショットをいかに多く使うかを逆算で考えることです。
9番アイアンで100ヤードの距離を打つのが一番精度が高い方の場合、リスクをどれだけ減らしてライの良い100ヤードに持っていくか。そう考えると、必ずしもドライバーでティショットを打つ必要はありませんよね。
では、実際、コースに出たときにありがちな状況を元にシミュレーションしてみましょう。
ボギーを狙うゴルフのケーススタディ
400ヤードPAR4のミドルホールの攻略を考えてみましょう。
カッコいいのは「ドライバー220ヤード」「3番アイアン180ヤード」「パター2打」でパーです。
でも、そのためには「ドライバーでフェアウェイをキープし、ロングアイアンでグリーンをとらえ、遠くても2パットで収める」といった技術が必要です。
それでは技術がない場合はどうするか。
「ティショットを6番アイアン150ヤード」「2打目を同じ6番アイアン150ヤード」「3打目を得意な9番アイアンで100ヤード」「パター2打」で、ボギーです。上手くいけば、得意の9番アイアンなので、1パットでパーもあります。
全てのホールでこんなにうまくいきませんし、ハザードによって1打目と2打目を変える必要もあります。距離の長いホールだともう少し長いクラブで打たないと厳しいです。また、バーディやイーグルは無理です。でも、ボギーかダブルボギーくらいならこの方法で何となくできそうな気がしませんか?
全てボギーで回れば90です。半分ボギーで半分ダブルボギーでも99。まずはトリプルボギー以上をたたかないように意識しましょう。すると100切りは目の前です。
苦手なら別の方法を探す
私はもともと競技志向のゴルファーでした。
けれど仕事の関係でゴルフクラブを握らない生活が3年間続き、その後ゴルフを再開してからも100が切れない状態が続きました。特に昔の感覚でロングアイアンやグリーン周りのアプローチショットを打つとミスが増えてしまったんです。
年齢を重ね仕事の責任が増し、また家庭ができてから独身時代よりもゴルフの練習に費やす時間もお金も減りました。
自分の思い描くスイングを練習で固められない日々。以前はレギュラーティからなら90を切るのが当たり前だった自分が、100が切れない。120近くたたいてしまう。。。そんな悶々とした日々が続きました。
このままではダメだ!
そう思い、まずはろくに打てない3番アイアンを捨て、壊滅状態になっていたグリーン周りのアプローチの改善のために、邪道だと思いながらチッパーを購入しました。その後、4番アイアンを外して7番ウッドを入れました。
コース戦略も、「練習量に裏打ちされた技術でパーやバーディを狙う」というアスリート志向から、練習できない分、「技術に頼らない考えるゴルフ」に方向転換しました。
その結果、ブランク明けからようやく100を切ることができ、今では90前後で楽しくラウンドすることができています。
もし、あなたが「100を切りたい」と真剣に思うなら、苦手なクラブを使わない、また別のクラブに変える工夫を考えてみてください。
そして、コース戦略を逆算で考えたとき、100切りはそんなに難しくありません。
ぜひ、頭を使うゴルフで100切りを目指してくださいね。